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住まいの採光はなぜ重要?

光は人間の生体リズムや健康と大きく関わっていることがわかっています。東京都市大学のある研究によると、屋内の照明は自然界の光のリズムに合わせることが健康を維持できるのだそうです。

たとえば、室内の明るさを日の出や日没といった自然界の光のリズムに合わせると、良質な睡眠に不可欠な「メラトニン」というホルモンの分泌量が向上することがこの実験では明らかにされました。

この研究では人口の照明器具を活用していましたが、自然光を賢く取り入れた暮らしの方が健康的である、とも言えそうです。

採光の良い住まいをつくるには

現行の建築基準法では居室(寝室やリビングや台所など)の窓の面積は「五分の一から十分の一までの間において居室の種類に応じ政令で定める割合以上としなければならない」となっています。(※令和5年4月に改正)十分な照明器具(床面が50ルクス以上となるもの)が設置されているなら窓の面積は床面積の1/10でもOK、というのがこの改正の主旨のようです。

ただ、かつては住宅の居室では「床面積の1/7」が採光のための面積の基準でしたので、ほとんどの住宅はこの旧基準に沿って設計されているでしょう。

建築基準法に適合する設計であっても「もっと住まいを明るくしたい」と感じられるかもしれません。そうであれば、住まいの新築・リフォーム・リノベーションの際に住まいをもっと明るくする、下記のようなアイデアがあります。

住まいをもっと明るくする採光のアイデア

窓の高さを拡張する

窓は高い位置にある方がより有効に光を取り入れることができます。もし現在の窓が少し暗い、と感じられるなら、窓を上方に拡張するリフォームで、室内はより明るくなります。

天井付近に高窓(または「ハイサイドライト」とも言われる)を作るのも自然光をふんだんに取り入れる上でかなり効果的です。

窓を分割して部屋の隅まで明るくする

窓は部屋の壁の中央付近にあることが多く、部屋の真ん中付近は明るくても部屋の隅の方は暗い、というケースもあります。

日中の自然光を取り入れて部屋の隅の方まで均一に明るくしたい場合、窓を両サイドに分割して配置するというアイデアも効果的です。

例えば壁の中央に横長の窓を一つ配置するのではなく、壁の両端付近に1つずつ縦長の滑り出し窓を配置するような計画です。このような窓の配置は外気を効率よく取り入れられるというメリットもあります。

室内窓で光をシェアする

窓は外壁にしか設置できないというわけではありません。内壁(間仕切り壁)にも室内窓を設置すれば、家の中の光を効率的にシェアし、室内をより明るくすることができます。場所によっては室内窓ではなくガラスブロックを採用すると、住まいが明るくなるだけでなくインテリアの品格も高まります。

ただし、おそらく室内窓は建築基準法上の有効な採光面積としてはカウントされないので注意が必要です。

壁には反射率の高いクロスを採用する

採光とは異なりますが、室内に張るクロスを反射率の高いものにすれば、窓のサイズや位置を変更しなくても室内をより明るくすることができます。このようなクロスは「光拡散クロス」などと言われ、サンゲツの『エコリフレクト』などが有名です。

新築・大規模なリノベーションなら光庭を設計に組み込む

もし新築や、間取りの変更を含む大規模なリノベーションであれば、光庭を含めたプランとすれば家の中心部まで自然光を取り入れることができます。光庭は採光を主な目的として作られる中庭のことで、「コートヤード」と呼ばれることもあります。建築面積が広い住まいの採光にはとても有効で、ガーデニングやアウトドアリビングなど、生活の他の面にも新しい彩りが加わります。

採光と合わせて考えたいこと

セキュリティ面への配慮

大きな窓は採光にはメリットがある反面、プライバシー・防犯の面ではデメリットにもなり得ます。外からの視線を防ぐためのフェンスやルーバーの設置など、視線を防ぐための窓まわりの設備や設計も合わせて検討しましょう。

熱を防ぐ工夫

大きな窓のもう一つのデメリットは夏場に熱くなりやすいことです。特に日当たりの良い部屋では、遮熱性能・断熱性能が共に優れたLow-e複層ガラス製のものにしておけば、夏場の冷房効率は下がりにくくなります。

まとめ

新築・リフォームを計画する際には、人の健康を維持するための採光まできちんと考えておくことが大切です。この記事では採光というキーワードで住まいをより明るく快適にするいくつかのアイデアを紹介しましたが、

窓や照明など住まいの明るさは、地域性や方角、季節や時間帯による日照の変化など様々な条件を考慮して、適切な計画を立てる必要があります。

明るくて健康的な住まいの新築、または窓周りのリフォーム・リノベーションにご関心があれば、ぜひ私たちスマリブへお気軽にご相談ください。