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住まいの「風通し」はなぜ重要?

快適で長持ちする住宅のためには、2種類の大切な“空気の流れ”を計画に含める必要があります。

そのうちの一つは天井裏や床下、外壁内などの「通気」で、構造を湿気・腐食・蟻害などから守る上で重要なものです。

もう一つの大切な空気の流れは屋内の「換気」ですが、こちらは

  • カビ・ダニなどの繁殖を抑える
  • ホルムアルデヒドなどの有害物質を低減する
  • 快適な温度・湿度を保つ

など、住まいを長持ちさせるだけでなく暮らす人の健康にとっても欠かせない役割を持っています。

この記事では、キッチン・トイレ・バスルームなどの機械換気とは別の、窓を開けて屋内にここちよい風を通す換気のアイデアについてご紹介します。

風通しの良い家を作るには

住まいの風通しについては建築基準法第28条に「居室には換気のための窓その他の開口部を設け、その換気に有効な部分の面積は、その居室の床面積に対して、二十分の一以上としなければならない」という一応のルールがあります。でも、このルールを守るだけでは風通しの良い住まいにはなかなかなりません。

住まいの風通しを良くするには、「住まいの中に風の通り道を作る」というのが最大のポイントになります。

風の通り道には「入口」だけでなく「出口」も必要になります。つまり複数の窓を開放して初めて、気持ちのよい風通しが生まれるんですね。つまり1ヶ所だけ大きな窓を開放していても、快適な風通しは生まれません。

そして、風の入口と出口はそれぞれ建物の反対側に来るようにすれば風通しはよりスムーズになります。つまり、風の入り口になる窓が北側にあるなら、出口になる窓は南側、といった具合です。

風がどこから吹き込んでどこへ抜けていくかを、動線として考えるとわかりやすいかもしれません。風の入り口から出口までの空気の動線が、浴室やダイニングなど湿気やにおいがこもりがちな場所を通り抜けるように計画すれば、住まいの快適性を保ちやすくなるでしょう。

住まいの風通しを良くするアイデア

一つの部屋でも複数の開口部で風の通り道を作る

風の出入り口はそれぞれ建物の反対側にあるのがベストではありますが、それだと風通しのためには各部屋のドアも開けておかなければなりません。

各居室のドアが閉まった状態でもなるべく風通しが良くなるようにするには、一室に開口部を2ヶ所以上設けるのが効果的です。空気は下から上へもスムーズに吹き抜けていきます。それで、可能な場合は風の出出入り口として天窓を設けると十分な風の流れが生まれますし、同じ壁面であっても足元と天井付近など、上下に開口部を設けるのも効果的です。

また、内壁にも天井付近に欄間(らんま)のような窓を設けると、各部屋のプライバシーを保ちつつ、風の通り道を作ることができます。

風をつかまえやすい構造の窓にする

窓を、風をつかまえやすい構造のものに交換するだけで、風通しを改善できることがあります。

たとえば、「縦すべりだし窓」なら、開いた窓ガラスがヨットの帆のように風をすくい、空気が室内に流れ込みやすくなります。たとえば、窓の中央部分は「はめごろし窓」、右の両端が勝手違いの「縦すべりだし窓」になっている窓です。このような商品は「ウィンドキャッチャー」などの商品名で販売されています。

窓を移動・新設するリフォームは費用が高くなることもありますが、窓の交換だけであれば費用も安く抑えられます。

玄関・勝手口も活用する

玄関・勝手口を開放しておくことは防犯上好ましくありませんが、ドア自体に開閉できる小窓が付いている構造となっている「通風ドア」であれば、玄関・勝手口も風の通り道として活用できます。

このような通風ドアであれば、防犯・プライバシー上の心配も解決できます。

通気性の高い網戸にする

換気のために窓を開けておく時にはたいてい網戸を閉めておきますが、この網戸も実は製品によって通気性能に違いがあります。

従来品に比べて網戸のネットを40〜50%ほど細くした網戸(YKK APの「クリアネット」やセイキの「スッキリ網戸」など)であれば20%ほどの通気性の向上を期待できます。

このような網戸はメッシュの間隔も従来品より詰めて作られているため、虫の侵入も効果的に防いでくれます。

雨でも開けておける窓

住まいの中でも風通しのために特に重要な窓は、情報に大きめの庇(ひさし)を設置しておくと窓を開けておきやすくなります。また、央がない窓でも、突き出し窓であれば開いたガラスが庇の代わりに雨を防いでくれるので、風通しを確保しやすくなります。

雨が降る日はジメジメするのに、雨が吹き込むので窓を開けにくいという問題はこのように解決できます。

まとめ

新築・リフォームを計画する際には、住まいと人の健康を守るための「風通し」まできちんと考えておくことが大切です。この記事では住まいの風の通り道について少しご説明しましたが、厳密には地域性による風の吹き方の違いや、季節や時間帯ごとの風向きの変化なども考慮して、窓や通気性の計画を立てる必要があります。

心地よく健康的な住まいの新築、または窓周りのリフォーム・リノベーションにご関心があれば、ぜひ私たちスマリブへお気軽にご相談ください。