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シロアリ防除工事は家を害虫による食害・強度低下などから守るための非常に重要な工事ですが、つい見落としがちになってしまう工事でもあります。この記事ではシロアリ防除・駆除をかしこく行うための大切なポイントをご紹介します。

『5年ごと』がシロアリ防除の理想的なタイミング

シロアリ防除は5年ごとに行うのがベストとされています。これは、シロアリ防除に使われる薬剤は、たいてい保証期間が5年になっているからなんですね。もちろん保証期間が過ぎればすぐにシロアリが湧いて出るというわけではありませんが、5年ごとの防除工事でシロアリ被害のリスクをかなり抑えることができます。

シロアリ防除・駆除のコストと作業範囲

シロアリ防除作業は【平米単価×作業面積】で算出されます。

作業内容 単価(点検費用含む) 建築面積70㎡の場合の総額
シロアリ防除処理 1,500〜2,100円/㎡ 約10万〜15万円
シロアリ駆除処理 1,800〜2,300円/㎡ 約12万〜17万円

シロアリが発生していなければ防除作業ですが、すでにシロアリの被害の痕跡が見られるなら、シロアリ駆除作業が必要になり、単価は通常の防除処理より200〜300円アップします。

シロアリ防除はほぼ1階床部分のみを対象に作業するので、作業面積≒建築面積(つまり1階の床面積)となります。

基礎の天端から1m程度の高さまでの土台・大引・根太・柱・筋交(すじかい)などの木構造部分と、床下が土壌になっている物件では基礎・束の周囲などシロアリの侵入経路となる地面にもシロアリ用の薬剤を散布していきます。

日本には主に下記の3種類のシロアリがいますが、防除や駆除の処理内容によっては対象になるシロアリの種類が限定されるものもあります。湿った木材を好んで食べ、温かければ活発になるという点はシロアリ全般に共通していますが、種によって異なる特徴もあります。

●ヤマトシロアリ

日本全土に生息。かつて北海道には生息していないとされていたが、近年では北海道でもヤマトシロアリによる被害が確認されている模様。10万匹規模のコロニー(繁殖する集団)を作ることもあり、蟻害(シロアリによる食害)が拡大しやすい。

●イエシロアリ

関東より西に生息。乾燥した木材につくことはなく、コロニーも2〜3万程度とされ大規模な被害には至りにくい。

●アメリカカンザイシロアリ

近年日本でも確認される外来種。アメリカでは数億ドル規模の経済損失を出している。

悪質なシロアリ業者には要注意

シロアリや雨漏りなど、よくある住まいのトラブルにつけ込む「点検商法」が横行しています。これは訪問販売の一種で「今なら無料でお家の点検ができますよ」などのセールストークから始まり、「点検の結果、すぐにでも工事した方が良い」などの脅し文句で、最終的に消費者の利益にならない契約を取り付ける方法です。

  • 法外とは言えないが、相場に比べてかなり割高な見積もり
  • 不安をあおり、契約を急がせる営業手法

などが点検商法全般に共通しています。

シロアリ駆除のための「基礎の斫(はつ)り」必要?

さらに、特にシロアリ防除・駆除工事を検討する場合に十分注意したいのが、「基礎の斫(はつ)り」(一部を破壊すること)を行うかどうかです。

業者によっては、床下の作業のために基礎の一部を斫る必要がある、といって基礎を壊してしまう業者もあります。このような斫り作業を1カ所あたり1万円以上の単価で数カ所、総額10万円以上も見積もり金額を吊り上げてくるケースもあります。

通常、建築業界で「斫り」というとコンクリートを削った後に表面を形成し直したり修繕したりする仕上げ作業までを含みますが、多くのシロアリ業者の斫りは壊しっぱなしになっています。

このような基礎の斫りは基礎建物全体の強度を低下させるリスクがある上、基礎内部の鉄筋のサビやコンクリートの爆裂など、さらなるダメージの進行にも繋がりかねません。業者は「シロアリ防除・駆除では普通に行われる作業だ」「他に方法がない」などと説明するかもしれませんが、建物の強度を犠牲にしてまでそれを行う必要があるかどうかは、慎重に判断すべきポイントです。斫り以外の代替策はないか尋ねてみることもできます。

ちなみに、比較的最近の木造住宅の基礎には、床下の点検のための「人通口」という開口部があらかじめ設けてあります。これは設ける場所やその周囲の鉄筋の配置などが十分に計算・設計されているもので、斫って穴を開けるのとは全く異なります。

 シロアリ防除と床のリフォームは併せて計画するのもおすすめ

基礎に人通口がない場合、フローリングに床下点検口を何ヶ所か設けておけば、その後のシロアリ防除やその他の点検が必要になる際にも有用です。適切な場所に床下点検口があれば、シロアリ防除のために基礎を破壊して家の強度を下げる必要もありません。

さらに、十分な強度を長く保つ家にしたい場合、シロアリ防除などに加えて、下記のようなリフォーム工事も有用です。

  • 床下の通気性を向上させるリフォーム工事
  • 屋根・外壁・ベランダなどからの雨漏りの修繕
  • 湿気の元になる給排水管の点検・更新
  • 床断熱リフォーム
  • フローリングの張り替え

このようなリフォームを併用すれば、シロアリ・カビ・腐食など構造材のあらゆる老朽化を長期的に防ぐことができます。

シロアリ防除を含めた床下・フローリング・断熱性など、住まいの快適性や耐久性を向上させるリフォームは、ぜひわたしたちスマリブへお気軽にご相談ください。