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新しいものをどんどん作るビジネスを「フロー型」、すでに作られたものを活用するビジネスを「ストック型」と言うそうです。日本の建築業界は長年フロー型だったのが、近年ではストック型にシフトしつつあります。少し古くなった物件でもリフォーム・リノベーションで活用しよう、という考え方ですね。

中古マンションを購入してリノベーションするというアイデアは、予算を抑えつつ自分好みの住まいを手に入れるための良いアイデアです。この記事では、鉄筋コンクリート(RC)造を想定して、リノベーションを前提とした中古マンション選びのチェックポイントをご紹介します。

チェックポイント①:築年数

どんな物件でも築年数は価値を測る重要なポイントになります。RC造の中古物件では、築年数ごとの費用とコンディションのバランスは、およそ下記のようになります。

築10年前後

築10年程度であれば中古といっても構造・設備にはほとんど劣化が見られず、新築同様のコンディションを保っているものも多数あります。

坪単価基準でみると、新築に比べておよそ7〜8%程度安い価格で入手可能かもしれません。単に中古マンションとしてはお買い得感がありますが、おそらくリフォーム・リノベーションする必要性はほとんどないでしょう。

築15年前後

築15年程度の中古物件でも、築10年程度のコンディションと大差ありません。価格は新築比で15〜20%ほど安く入手できる可能性があります。キレイな状態を保っている物件がほとんどで、築15年レベルでもリフォーム・リノベーションするのはちょっともったい無いと感じられるかもしれません。

また、多くのマンションで築12〜15年ごろに大規模修繕工事が行われるので、トラブルが起きる可能性も低いでしょう。ただ、大規模修繕工事を機にマンションの管理費や修繕積立金が増額されることもあります。

築20年前後

築20年程度の物件でもよいコンディションを保っているものがおおく、十分な耐震強度も期待できます。

価格は新築比で30%程度安く手に入れられる可能性もあります。現在、中古マンションの価格の下落率は築20年ごろを境に緩やかになる傾向が見られるので、購入価格・資産価値的にも狙い目といえるでしょう。

内装や住宅設備などには経年劣化が見られ始める頃で、リノベーションでデザインを自分好みに刷新すると同時に劣化が見られる設備を更新しておけば、リノベーション後も長期間快適に暮らせるはずです。

築30年前後

築30年ほどになると、価格は新築比で50%以上安く入手できる物件も増えてきます。ただし、すでにリフォーム・リノベーション済みで価格があまり下落していない物件も多くなります。

電気・水道など含めた設備は全面的に更新しなければならない可能性が高く、リノベーション工事価格も高額なることが予測されますので、物件の価格と工事費用のバランスを慎重に検討する必要があるでしょう。

チェックポイント②:設備のコンディション

上の項でも少しご説明した住宅設備の中でも、特に水道管や電気配線などはトラブルにつながりやすい箇所です。築年数とも深い関係がある要素ですので、中古物件のリノベーションを考える際には下記のポイントもチェックしておきたいところです。

水道管

古い物件では、水道管が劣化している可能性が高くなります。水道管の素材ごとの耐用年数はおおむね下記のようになります。

  • 亜鉛メッキ鋼管…15〜20年程度で腐食する。
  • 硬質塩化ビニルライニング鋼管…腐食に強いが30年程度で交換が必要になる。
  • ステンレス鋼管…パッキンの交換は必要だが、鋼管自体は半永久的に使用できるとされる。

中古マンションに使用されている水道管によっては、リノベーション時に全面的に交換する必要がでてきます。

また古い物件では水圧が弱く、新しいモデルのトイレ設備が使用できないということもあります。

電気配線

200vの家電(たとえばIHクッキングヒーターやエアコンなど)を使用するためには、住宅に単線三相式という電線が引き込まれている必要があります。

単線三相式は平成元年(1989年)前後に普及し始めたため、それより前に建てられた中古マンションで電線の構造が古いままだと、200vの家電は使用できません。

この問題を解決するためには新たに電線の引き込み工事が必要となるため、工事も通常のリノベーションの電気工事よりも高額になります。

チェックポイント③:管理や修繕に関する書類

中古マンションの購入を検討するにあたっては、今までどのような管理・修繕をしてきたかを知るため、

  • 修繕履歴…今まで行われてきた修繕・メンテナンス工事の履歴がわかる
  • 長期修繕計画書…今後の修繕・メンテナンス工事の計画がわかる
  • 重要項目調査報告書…管理費や耐震診断の結果、マンション内のトラブル事例などがわかる

もぜひチェックしておきましょう。

スマリブでは物件探し+リノベーションのお手伝いをさせていただけます。

中古マンション購入+リノベーションは自分の目で物件を確認することも大切ですが、リノベーションをしっかり見据えたプロ目線での物件選びも重要になります。

スマリブでは中古マンションのリノベーションを物件探しからご相談いただけます。ぜひお気軽にお声かけください。