テレワーク経験者にとって、「在宅だと仕事が捗らない」というのはよくある悩みです。でもそんな悩みがあるからといって、その人が怠け者というわけではありませんのでぜひ安心してください。
「テレワークが捗らない」のには、当人のやる気や勤勉さとは無関係な、いくつかの理由が考えられます。その理由のうち、この記事では住まいの照明にフォーカスしてみましょう。きっと、自宅でもテレワークや勉強が“はかどる”ようになるヒントが見えてくるはずです。
“はかどる照明”のための2つのポイント
そもそも良い住まいは、そこに住む人ができるだけリラックス・休息できるように設計されています。なので、自宅で仕事に集中できないというのはいわば当然というわけですね。
人間の生活の「睡眠→起床→働く→リラックスする→睡眠」という日々の基本的なリズムは、自然光のリズムに大きく影響されます。
そこで、テレワークの時に頭脳の「仕事モード」をキープするには、室内の照明を「日中の自然光」に近いものにするのが正解です。
そのような“はかどる照明”のためには下記の2つのポイントを意識するとよいでしょう。
ポイント①:はかどる「色温度」
光には「色温度」という要素があります。色温度はケルビン(k)という単位で表され、このケルビンの数値が高くなるに連れて、光の色は「オレンジ→黄→白→青」と変化していきます。
照明を“はかどる色温度”にしたい場合…
- 一般的なオフィスワークを行う場合=【5500〜6500K】のやや青みがかった光
- デザイナーやイラストレーターなど、色彩が重要になる仕事を行う場合=【4200K】程度の白い光
とするのがおすすめです。
5500K 程度の光は正午ごろの太陽光と同程度の色温度となります。やや青みがかっているとはいえ、人の視覚にはほとんど白色と変わらないように見えるかもしれません。
大抵の照明器具は蛍光灯やLED電球を交換するだけで色温度を変更できます。
照明器具は、
- 3800〜4200K程度=「白色」
- 5000K程度=「昼白色」
- 6200〜6500K程度=「昼光色」
などの名称で取り扱われていることが多いですので、ホームセンターや家電量販店などでさがしてみましょう。
ポイント②:はかどる「照度」
はかどる照明のために考えたい光のもう一つの要素は「照度」です。照度とは簡単に言えば明るさのことで、ルクス(lx)という単位で表されます。
どの空間にどのくらいの明るさ(lx)が必要かは「JIS照度基準」が参考になります。
日中の居室の照度はたいてい150〜300lx 程度に設計されていますが、オフィスであれば適切な照度はより高くなります。
照明を“はかどる照度”にしたい場合…
- 「明るめのオフィス」レベル=【750〜1500lx】
- 「暗めのオフィス」レベル=【500〜750lx】
くらいの明るさを目安にするとよいでしょう。
照明器具の照度を計画する時には、照度に加えて「配光」つまり光の広がり方も大切なポイントの一つです。
感じ方には個人差がありますが、LED照明を使用する場合には作業するデスクの上を均一になるべく均一に明るくする「広角配光」や「全般配光」などと称される照明を選ぶと、より集中力アップに貢献するかもしれません。
“はかどる照明”のための2つの注意点
テレワークにおける作業スペースの照明では、集中力や知的生産性が落ちてしまいかねない要素もあります。下記の二つの注意点を覚えておくのがおすすめです。
注意点①:「グレア」を避ける
グレアとは、光が目に入る時に感じる眩しさのことです。光源から光が直接目に入ることは少なくても、PCやタブレット、ペンタブなどのディスプレイに反射して目に入る光もグレアとなります。
グレアは不快なだけでなく、注意散漫やイライラ、また視認性の低下につながるため、テレワークの照明環境ではなるべくグレアを避ける計画にしましょう。
グレアは、
- 照明を作業デスクの真上付近(鉛直0〜40°付近)に配置しない
- 「点」よりも「面」で発光する照明を選ぶ
などの方法で避けることができます。
注意点②:「リズム」を大切にする
光は体内時計のリズムに大きく影響しますので、照明で生活のリズムが狂ってしまわないようにも注意したいところです。いわば仕事が終われば脳の「仕事モード」もちゃんとオフにしなければなりません。
具体的にはテレワーク向きの【5500K〜6000Kかつ750〜1000lx】は、作業ははかどっても休息やリラックスには向いていません。テレワーク作業が終われば夕焼け空のような色(3000K程度の電球色など)の明るすぎない照明に切り替えるのがおすすめです。
そのためには照明器具は設定を変えられる調光機能があるものなら生活リズムを健やかに保ちやすいかもしれません。
まとめ
はかどる照明をうまく使いこなせば、同じ住空間でも仕事モードとリラックスモードを賢く切り替えながらテレワークでも仕事を効率的に進められるようにできるでしょう。
それぞれのライフスタイルによりそう照明リフォームについてもっとお知りになりたい場合は、ぜひ私たちスマリブへお気軽にご相談ください。