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住環境を快適に保ち、健康にも優しいとされる自然素材。特に珪藻土や漆喰は住まいに活用できる自然素材として高い人気を集めています。

この記事では珪藻土のメリットやデメリットを、漆喰の特徴と比較しながらご紹介します。

珪藻土とは?

珪藻土とは、海に繁殖する藻の一種である珪藻(けいそう)の殻が化石化したもので、珪藻の化石は「非結晶シリカ」というガラスの一種が主成分になっています。珪藻1粒のサイズは0.01〜1mmほどで、その珪藻一粒一粒に目には見えない無数の穴が空いています。このような構造のことを「多孔質」と言います。

とりわけこの「多孔質」という特徴が、珪藻土のさまざまな特性のベースになっています。

ただし、珪藻土を含む建材であっても成分や配合などによっては珪藻土のメリットを十分発揮できないこともあります。この点はこの記事の後半で簡単にご説明します。

↑生きている珪藻の一種

珪藻土と漆喰を比較するとわかること

珪藻土と漆喰は特に人気の高い自然素材ですが、自分の住まいに採用するならどちらにするか悩んでいる人もきっと多いでしょう。漆喰と比較しると、珪藻土には下記のようなメリット・デメリットがあります。

珪藻土のメリット

抜群の調湿機能

JIS規格によると、調湿性能があると認められる建材は、70g/㎡/24h(24時間で1㎡あたり70g)の水分を吸収する性能を有していなければなりません。

珪藻土の調湿性能は約200g/㎡/24hですので、JISの基準の約3倍という非常に高い調湿力があるといえます。

ちなみに漆喰の調湿性能は約40g/㎡/24hと、珪藻土の約1/5ほどにとどまります。

もちろん「調湿作用」ですから、空気を乾燥させる一方、と言うわけではありません。珪藻土は空気中の湿度が高くなれば吸湿し、湿度が下がれば吸収した水分を空気注へ放出してくれます。

高い断熱性能

珪藻土は多孔質で、壁に施工するとスポンジのように空気を多く含んだ層が出来上がります。

動きを封じた空気は熱が伝わりにくいので、珪藻土の断熱性は高く、室内の空気環境は外気温の影響を受けにくくなります。

珪藻土のデメリット

珪藻土はカビが生えやすい

漆喰は強アルカリ性で抗菌・抗ウイルス・防カビなどの高い効果を発揮するのに比べて、珪藻土自体は漆喰ほどアルカリ性が高くなく、カビが生えやすくなります。

カビはph値(アルカリ性か酸性かを判定する数値)が2-8.5付近で繁殖しますが、漆喰の主成分である水酸化ナトリウムのph値は14ほど。これだとカビの繁殖の心配はほとんどしなくてよさそうですね。

珪藻土は何が添加されているかによってph値は大きく異なることがありますが、11以上の珪藻土塗り壁材もあるようです。カビを避けたいなら使用する珪藻土のph値を確認してみましょう。

珪藻土はやや脆(もろ)い

漆喰が石灰石と同等の硬度を持つようになるのに対し、接着剤や樹脂で固められているだけの珪藻土はあまり強度が出ません。

力が加わると砂壁のようにぱらぱらと崩れてしまうことが多いので、衝撃や摩擦の影響を受け安い場所には不向きです。

珪藻土に関してよくあるギモン

珪藻土には発がん性がある?

建材ではありませんが、大手インテリア系メーカーの珪藻土製品が発がん性の恐れがあるという理由で回収されたケースがあり、「珪藻土=有害」というイメージを持つ人もいるようです。

しかしそのケースでは、製品に含まれていたアスベストの発がん性のリスクが問題とされたのであって、珪藻土自体に発がん性が認められたわけではありません。

珪藻土は天然素材?

珪藻土自体は純粋な天然素材ですが、塗り壁材として流通している珪藻土製品には、たいてい接着剤として化学合成材が添加されています。と言うのも、珪藻土自体はサラサラしていて、漆喰のように単体で水や空気と反応して変質して固まるという性質はありません。

それで、珪藻土の塗り壁はどれでも自然由来で健康的、ということはできません。

ただし、漆喰のように接着剤として天然由来の「すさ」などを用いている珪藻土もありますので、そういった建材であれば天然素材といえるでしょう。ただし、そのような珪藻土はコストも高くなります。

珪藻土はどれでも調湿作用がある?

先述の通り、珪藻土には接着剤として樹脂や化学物質が添加されています。この添加物の種類によっては、調湿作用の要(かなめ)となる珪藻土の微細な空洞が塞がれてしまい、調湿効果がかなり低下している珪藻土製品もあります。

ただし、珪藻土の質感が気に入っていて調湿性能を重視しない、という場合には、上記のような施工性重視の珪藻土建材を使用するメリットも大きいかもしれません。

珪藻土のコストは漆喰より安い?

珪藻土のコストを漆喰と比較すると、一般に流通している建材レベルではあまり大きな違いは認められません。

施工面積単位で見ると、1mm程度の薄さで塗装できる漆喰の方がちょっと安くなるかな、と思える程度です。

また漆喰も珪藻土も、天然素材にこだわった高級品から安価な普及品まで費用相場に開きがある点も共通しています。

まとめ

珪藻土は抜群の調湿性能や断熱性など、住環境にうれしい特徴がたくさんあります。珪藻土を取り入れた住まいに関心がある方は、ぜひわたしたちスマリブへお気軽にご相談ください!