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「ライフサイクルコスト」という言葉があります。これはイニシャルコスト(初期費用)とランニングコスト(維持費用)、さらには廃棄にかかる費用までを総合したコストのことです。

マイホームを建てることになったら、ほとんどの人は特にイニシャルコストを重視しますが、建てた家に末長く快適に暮らしていくためには、住まいにかかるライフサイクルコストを把握しておかなければなりません。

住宅のランニングコストには、

  • 固定資産税などの税金
  • 保険料
  • メンテナンスコスト

などが含まれますが、この記事では特にメンテナンスコストに注目してみましょう。

木造一戸建ての寿命はどのくらいか?

木造住宅のライフサイクルコストを計算する上で、まずは建物の寿命がどのくらいなのかを把握しておきましょう。

時々「木造住宅の寿命は30年」という見解を聞くことがありますが、真面目に建ててきちんとメンテナンスしている住宅が30年で住めなくなることはまずありません。実は木の強度は伐採後150〜200年程度をピークに最も強くなり、その後1000年ほどで伐採時の強度まで戻ります。そのため、きちんとメンテナンスされている法隆寺のような木造建造物は、築後1000年以上経っても強度を保っているんですね。

今の木造住宅も1000年持つとは断言できませんが、少なくとも建築基準法に適合する一般的な木造住宅であれば50〜60年、長期優良住宅の認定を受けた木造住宅であれば100年以上は長持ちすると期待できます。

もちろん、そのためには定期的なメンテナンスのためのライフサイクルコストを事前に計算しておくことが不可欠です。

木造住宅のメンテナンスコスト

では築後50年を目安として、住宅のメンテナンスにかかる主な費用を概算してみましょう。

木造住宅のメンテナンスにかかる代表的なコストには下記のようなものがあります。

メンテナンス内容

1回あたりの費用目安

理想的なペース

屋根・外壁塗装リフォーム 120〜150万円 約15年ごと
屋根材の吹替え 150〜200万円 約40年ごと
外壁材(サイディング)の張り替え 200〜300万円 約30年ごと
シロアリ防除 15〜30万円 約5年ごと
ユニットバス交換リフォーム 70〜120万円 約15年ごと
トイレリフォーム 15〜30万円 約15年ごと
キッチンリフォーム 80〜150万円 約25年ごと

これらを、費用目安の最安値でトータルしていくと筑後50年間でおよそ1180万円、費用目安の中央値付近で計算すると1400〜1500万円ほどのメンテナンスコストがかかる計算となります。

築年数を基準に考えると、メンテナンスには下記のようなタイミングで必要になります。(上記費用の最安値で計算)

築年数

費用

メンテナンス内容

0〜10年 約30万円

シロアリ防除(2回)

11〜20年 約235万円

シロアリ防除(2回)

屋根・外壁塗装リフォーム

ユニットバス交換

トイレリフォーム

21〜30年 約515万円

シロアリ防除(2回)

屋根・外壁塗装リフォーム

ユニットバス交換

トイレリフォーム

キッチンリフォーム

外壁材張り替え

31〜40年 約180万円

シロアリ防除(2回)

屋根材の吹替え

41〜50年 約220万円

シロアリ防除(1回)

屋根・外壁塗装リフォーム

ユニットバス交換

トイレリフォーム

上の表には含めませんでしたが、実際には給湯器、ガスコンロ、給排水設備、エアコンなど住まいに欠かせない設備の交換などにも費用が必要になります。

加えて、家族構成によっては同居人数が増えたり、住んでいる人の介護のためバリアフリー化のリフォームが必要になったりする可能性も予算の計画に入れておくとよいでしょう。

いろんな要素をひっくるめて50年間のリフォーム・メンテナンスのコストを総額2000万くらいと考えると高額に思えますが、月々3.3万円程度を積み立てておけば賢くカバーできるはずです。

住宅のライフサイクルコストを抑えるために

ここまででご紹介したように住まいのメンテナンスにはかなりのコストがかかりますが、賢く計画すれば住まいのライフサイクルコストを抑えることができるかもしれません。

●イニシャルコストにお金をかける

イニシャルコスト、つまり家を建てる時のコストはなるべく安く済ませたいところですが、安価な建材を使用すると耐用年数が低く頻繁にメンテナンス・交換が必要になりトータルのライフサイクルコストは高額になってしまうこともあります。

屋根材や外壁材などの建材や、ユニットバス、キッチンなどの住宅設備は、家を建てる時点である程度グレードの高いものを選んでおけばライフサイクルコストは安くなるかもしれません。

●補助金等について調べてみる

国や自治体がリフォーム補助金などの制度を用意していないか調べてみるのも良い方法です。特に子育てや高齢者の介護に関係するリフォームや、住宅の省エネ・環境に関係する性能を向上させるリフォームなどは何らかの補助金の対象となる可能性が高いといえます。

まずは相談してみましょう。

どこにイニシャルコストをかければライフサイクルコストが安くなるか、どんな補助金制度があるかなどは把握するのがなかなか難しい分野です。

住まいのライフサイクルコストを抑えるより詳しいアイデアは、ぜひわたしたちスマリブまでお問い合わせください。