「リフォーム」と「リノベーション」。どちらもよく聞く言葉で、しかも同じような意味で使われています。
リフォームとリノベーションは大きな違いがある言葉ではありませんが、ちょっとした違いを理解しておけば家の修繕や改築工事などを計画したり打ち合わせたりする段階で、業者とのコミュニケーションを円滑に進められるかもしれません。
今回はそんな「リフォーム」と「リノベーション」の違いや、それぞれのメリット・デメリットについて少しご説明しましょう。
リフォームとリノベーション、違いはある？
「リフォーム」「リノベーション」という言葉は、かんたんに言うと下記のような意味で理解されています。
- 「リフォーム」＝建物を本来の状態に戻す工事
- 「リノベーション」＝建物の用途やデザインに変更を加えて刷新する工事
といってもリフォームとリノベーション、どちらの言葉も違いをはっきりさせる定義があるわけではありません。
建築関連の用語の多くは建築基準法に定義が説明されていますが、実は「リフォーム」も「リノベーション」も建築基準法には出てこない言葉なんです。
また、英語の定義を見てみても、
- リフォーム[reform]…改善、改良、改革。
- リノベーション[renovation]…改修、刷新、補修。
と、違いはやはり曖昧です。英語圏ではリフォーム[reform]は建物以外に組織・制度などの改善にも使われる言葉で、建物の改修・改築には主に「リノベーション[renovation]」が使われるようです。このような英語圏での使われ方も日本での理解と少し差がありそうですね。
リフォームとリノベーション、それぞれの目的や具体例
ことばの定義をさらに掘り下げるよりも、リフォームとリノベーションがそれぞれどんな工事に当てはまるかを考えると、違いがイメージしやすくなるかもしれません。
●「リフォーム」ではどんな工事を行うか
リフォーム工事は、古くなったり壊れたりした機能や設備を元に戻したいときに行なわれます。
たとえば、
- 壁や天井のクロス張り替え工事
- キッチン・バス・トイレの設備交換工事
- 屋根の葺き替え・外壁の張り替え、または塗装工事
などは代表的なリフォーム工事といえるでしょう。
また、このような工事を建物全体で行うことを、
- スケルトンリフォーム（フルリフォーム）
といいます。
スケルトンリフォーム工事では土台・柱・梁・小屋組（屋根部分の骨組み）などの骨組み以外は基本的にすべて解体・改装します。鉄筋コンクリート造のマンションで、躯体以外をすべて刷新する工事もスケルトンリフォームになります。
そのほか、
- 耐震補強リフォーム
- 省エネリフォーム
などは、本来は備わっていなかった新しい機能を追加したり強化したりする工事ですが、建物の用途やデザインはほとんど変わらないので、リフォームという言葉がよく使われます。
リフォーム工事のメリット・デメリット
リフォーム工事は部分的なものであれば、短期間・低予算で行えるというメリットがあります。
たとえば、フローリングの張り替え・重ね張りなどのリフォーム工事は、1部屋であれば作業は1日もかからず、5〜10万円程度の予算で実施することもできます。
ただし、リフォーム工事はあくまで原状回復が目的なので、言うなれば工事後もあまり住まいが代わり映えしないというのがデメリットです。
●「リノベーション」ではどんな工事を行うか
一方リノベーション工事は、建物の用途やデザインを大きく変更したいときに行われます。
たとえば、
- 同居する家族構成の変化にあわせ、間取りを大きく変更する
- 古民家を購入し、カフェや雑貨屋に改装する
- 中古マンションを間取りも含めて自由に変更・改装する
といった工事が、リノベーションと呼ばれます。
リフォームと同じように、建物の骨組み・躯体以外すべてをリノベーションすることを、
- スケルトンリノベーション（フルリノベーション）
といいます。
リノベーションでは、建物に新しい価値を生み出すようなクリエイティビティや革新性が重視される傾向にあります。
リノベーション工事のメリット・デメリット
リノベーション工事では建物の内装・外装のイメージが刷新できます。たとえば中古住宅を購入し、大々的なリノベーションを行なえば、新築より安く、かつ注文住宅のような満足感が得られるというのが大きなメリットです。
ただし、工事の規模が同じでも一般的なリフォーム工事に比べてリノベーションの方がコストが高くなるというデメリットもあります。
リノベーション工事を成功させるには、工事に入る前にリノベーションのイメージを明確にしておき、施工業者としっかり打ち合わせる必要があるので、それなりの時間と労力が必要になるということも覚えておきましょう。
まとめ
リフォームとリノベーション、この二つの言葉に大きな違いがあるわけではありませんが、この記事でご紹介したような差があることを覚えておけば、きっと自分がどんな工事をイメージしているかを施工業者に伝えやすくなると思います。
わたしたち株式会社スマリブでは、木造・鉄筋コンクリート造の住宅、店舗、介護施設まで、さまざまな物件のリフォーム・リノベーションに幅広い実績があります。
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